カッパの日
雨降りだったきのう、仕事を終えての帰り道で女子中学生を見かける。雨合羽を着て自転車に乗り下校途中の彼女は親戚のAちゃん。わたしのお気に入りです。呼びかけて停車したわたしに気づき、彼女も自転車を停めて近づいて来ます。雨の日の登下校はたいへんだねと声をかけると、「カッパの日はヤだね。ま、仕方ないよ、天気のことだから。人生はときどき苦々しいもんだよ。アハハハ~。」とAちゃん。つられてわたしもアハハ~と笑い...
View Article『天使の蝶』
『天使の蝶』プリーモ・レーヴィブラックなユーモアが効いた文明批判のSF短編集。便利で作業効率の良い機械の発明がもたらす人間のアイデンティティの喪失がテーマの話は目新しくはなくとも、皮肉っぽくもクスリと笑える結末の作品集です。表題作の『天使の蝶』は趣が違い、使われていない能力を開花させればヒトは成体になるというある教授の持論と人体実験の話です。作品自体が感情を交えない報告書という形で書かれているせいか...
View Article単位
ブロ友さんがとても短いトンネルの画像を記事に載せていらっしゃいました。そのトンネルのある路線の列車に2年前に乗ったことのあるわたしですが、トンネルには記憶がありません。「憶えていません」とコメントを入れたところ、「長さ4mです。時間にすれば3刹那ほどですから見逃すのも無理はありません」とお応えいただきました。刹那?刹那的の刹那?...
View Articleアイロンのア
「いいえ、ミタではなくニタ、ニンジャのニです。字はジンギナキタタカイのジンにタンボのタ。仁田○○さんです。」ある名簿に追加する人の氏名を兄が電話で伝えています。仁義なき戦いって・・・。オオニタアツシのニタと言えばいいのに、と聞きながらわたしは思います。それにしてもミタとニタ、いかにも電話では聞き間違えそうです。当の仁田さんはさぞかし間違えられた経験も多いことでしょう。ニンジャのニ。わたしなら何と説明...
View Article待合室
「轢いた車はそのまま逃げちゃった。この子、脚の切断手術を受けたの。治っても不恰好な歩き方になるけど死ぬよりマシだわ。」長椅子で診察の順番を待つ間、隣にすわった同年代の女性が話の内容の割にはあっけらかんと説明してくれました。はい、動物病院の待合室でのことです。交通事故で後ろ足の片方を失くしたイチロー君は、エリザベスカラーの中から上目使いにわたしを見て「ニャ~ン」とあわれな声を上げました。「なかなかのイ...
View Article敵は本能にあり
竹串に刺されたはんぺんを三口めにかぶりついたところで、はたと気づきました。良く言えば食欲旺盛。ですが、わたしの場合は「意地汚い」が表現として正しいようです。往路の途中で寄ったサービスエリアであのコロッケを目にしたことは仕方がない。昼食前の往きの車中で食べるなんてもってのほか、と自制したまでは、これは良し。ならば帰りに買って家に持ち帰ろうと思ったことも何ら責められるものでもない。それどころか、帰りにも...
View Article『パセラ』
外国の歌の場合、歌詞の内容とは関係なく、タイトルと曲から自分なりのイメージを持って好きになるものがあります。『パセラ』がその一曲です。イタリア語なので何を歌っているのは分かりませんが、"Passera"が「過ぎていく」という意味らしいことを知ってから、この曲を聴くとちょっと不思議な感覚に捉われます。今現在抱えているはずの、気にかかっていること、解決したいこと。いいこともそうでないことも、その大方がす...
View Articleアンジェラ
♪花~は花は花は咲く~期待していませんでしたが、というより、また咲いてくれるとは思っていませんでした。バラをあちこちで見かけていた春にうちにも咲いていました。もともと、2年前に隣家からもらった一枝をダメ元で挿し木したもので特に施肥などの世話もしていませんでした。それでも枯れることもなく株は大きくなっていき、去年は数えるほどでしたが花もつきました。それが今年は30くらい開花したのです。嬉しかったですね...
View Article妙なクセ、バンザイ
脳科学の視点からみた「ヒトはどのように形成されているか」を著したおもしろい本を読みました。半世紀以上も生きていると、いくらぼんやりなわたしでも経験やまったくの偶然から、「ひょっとしたらそのように出来ているのではないか」と思い至ることがヒトの脳に関してありました。脳の持つ妙なクセとしてそれが明文化されている章を読んだときは学者先生に対して我が意を得たりなどと思ってしまいました。何しろわたしは脳に限らず...
View Articleミヨコちゃんとゴードン
ミ~ヨコちゃん!ミ~ヨコちゃん!ああ、今日もミヨコちゃんを呼ぶ声が聞こえる。ほぼ毎日、多い日には一度に千回を超えるほども絶え間なく呼び続けます。よくあれで喉をつぶしてしまわないものです。たいていはシラフですが、時にはほろ酔い加減で連呼しています。ミ~ヨコちゃん...
View Articleハンコ生活
ほぼ毎日数分の遅刻をしながらも職場へは行き、頭を空っぽにして仕事を始め、お昼になったら前日の残り物を詰めてきたお弁当を食べ、また午後から仕事をする。5時ジャストには逃げるように帰宅し、家に着いたらソファにすわって30分ほどぼんやりする。それからのろのろと家事らしきものを始め、夕食をとる。あとはテレビを観て本を読んで寝るだけ。週に1日、用事があって夜に出かけるほかは休日もたいていは家でひとりで過ごす。...
View Article『春琴抄』
春琴抄を読んだのは十代の終わりの頃。オトメだったわたしには春琴抄は性格に少々難ありのイジわるオンナと気弱オトコの話というだけのものでした。そしてその数年後、耽美的ではありましたが、春琴抄は身分違いの男女の純愛の物語だという甚だ浅薄なものに印象が変わりました。ドラマ化されたものをたまたまテレビで観たからです。大店の娘で琴の師範である春琴と丁稚で弟子の佐吉。原作では春琴は美人でも佐吉は美男とは言い難いは...
View Article『ゲインズバーグの春を愛す』
『ゲイルズバーグの春を愛す』ジャック・フィニィ十篇のファンタジー集。表題作の『ゲインズバーグ~』はある町の開発や近代化に対する復讐、あるいは新規に事業を展開しようとする経営者を排除する話。面白いのはそれが人によるものではなく、「町」自体の仕業であるところ。わたしの家が建っている土地は以前は桑畑でした。わたしが復讐されるとしたら巨大なお蚕さまに食べられるといったところでしょうか。良かったのは『独房ファ...
View Articleわたしは悪くない
一年ほど前、作りながらねえさまと言ったものです。「こんなの売れるかねぇ・・・」その、こんなの150着が戻ってきました。理由は「売れない」のでデザインの変更だそうです。店頭に出して10着ほどしか売れなかったとか。勝率1割以下の負け戦だったのですね。ほうれ見たことか。デザインはよろしい。後ろ下がりのスカートです。生地の素材も悪くないんですのよ。シルクざます。ただ、模様がイケテない。シックというよりどんよ...
View Article短編集 & ああ、仮託
二十三編が収載されたブラッドベリの短編集。クスリと笑える、少しゾクッ、ほんわか温かい、しんみり。。。「品揃えに自信あり。お気に入りがきっと見つかりますよ」的な奇想コレクション。本書中のいちばん新しい作品でも1987年の初出であるからか、作者が故人となっているゆえか、どれにもノスタルジーが漂います。そのなかで見つけたお気に入りは、せつなさがテンコ盛りの『最後のサーカス』。ブラッドベリでは他に、コテコテ...
View Articleわたしだけ、かも
天国も地獄もない青空の下で今を生きるだけ国家や宗教がなければ戦争も起きないそれは夢かもしれないけれどそうすれば世界はひとつになれると、考えるのはわたしひとりじゃないそして、これもわたしだけじゃないはずテレビとかで。。。というか、テレビでしか見ませんが、翼を広げ、助走して飛び立つ鳥の一生懸命なその姿わたしも真剣に生きなくちゃと思わされますそして、...
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